戦前・戦後を支えた芸人たち

新型コロナウィルスでの外出自粛「ステイホーム週間」。在宅勤務で気晴らしができないと嘆いているあなたや、暇を持て余しているあなたや私が少しでも笑って過ごせるように、私がすごいと思った芸人たちだけをピックアップして年代別に紹介していきます。

第一日目は漫才の黎明と、戦前・戦後の暗い時代を笑いで支えた芸人たち。
戦時に比べたら、敵がどこまで攻めてきているのかわからないとは言え、現在の状況はまだ明るいのかもしれません。
つらい時期を笑って乗り越えるのは、人間に与えられた特権のような気がします。

当時の芸人と言えばエンタツ・アチャコが筆頭だとは思いますが、あえてはずして5組をピックアップ。

昔の芸人さんはとにかく「芸」がすごい。幼少の頃から修行して鍛え上げられた「声」がすごい。音声だけでも十分にその気迫が伝わってきます。

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下記の各芸人をタップ)すると画面がその芸人のページに切り替わります。
一番上の映像の▶をタップすると再生が始まり、終わるとその次、またその次と自動で再生していきます。
では、ごゆっくりどうぞ。
物足りない方は「伝統芸能」「1960年以前 明治・大正・昭和初期」をどうぞ。

最後の萬歳師~村田清光・中川晃

300年以上の歴史を持つ漫才のルーツ「萬歳」。
太夫(ツッコミ)と才蔵(ボケ)の役割は今に引き継がれています。
村田氏の60年以上の長きに渡って鍛え上げられた声は強くやさしくすばらしい。


たたかれて鼓とともに70年~砂川捨丸・中村春代

萬歳の太夫と才蔵のスタイルを引き継いで舞台に立ち続けた70余年。
捨丸の江州音頭で鍛え上げられたいぶし銀の声は絶品です。


ぼやき漫才の創始者~都家文雄・都家静代

時事や社会をぼやきまくった都家文雄。
「戦前には台風なんてなかった」
「9月2日、日本人として忘れられんこんなに残念な悔しいけったくその悪い日」
「大鵬っちゅう相撲取りは二十歳やけどごつい奴や」など当時の世相や話題が見えてきます。


夫婦漫才の原点~ミスワカナ・玉松一郎

日本全国の方言を自在に操ることができたワカナのアニメ声のしゃべくりと歌。
夫婦漫才として、歌謡漫才としてエンタツアチャコと人気を二分していました。


「戦前の吉本を儲けさせたのは末子」~桜川末子・松鶴家千代八

映像は少ししかないけれど、これだけでも十分にうまさが伝わってきます。
この人も捨丸と同じく幼い頃から江洲音頭の舞台に立っていたので声の通りがすごい。